はにまログ

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「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」を読んで


Amazon.co.jp: アドラーに学ぶ部下育成の心理学: 小倉 広: 本


私はあまり部下を叱るのは意味がないと思っていました。ただ同時に、失敗をフォローするだけで終わらせてしまっていいのか、成功したときにほめるだけだと何かが足りないのはないか、とも感じていました。
この本で、その必要なピースの一つが見つかったように思います。それは「勇気づけ」。(成功/失敗関係なく、)部下の「成長」のポイントを見つけてやることが、何よりの勇気づけになるようです。
たぶん正しく勇気づけてあげるには、普段から部下の事をよく見ておく必要があります。今その部下には何が足りないのか、次はどのように成長すればよいのか考えてやる、一定の努力が必要となります。ただ、難しく考える必要はなく、部下が成長しようとしているのを前提として構わない、のがポイントだと思いました。

また、「教えるな」という点にも納得です。私自身、「思ったとおりにやれ」と言われた時が一番やる気が出た経験があります。その時の事を思い返してみると、ポイントは「自分で決めていいんだ」と気がつけた事にあったようです。その時、自然に「自分はどうしたいか」という考えが芽生えるようになりました。それは決して「放置」ではなかったです。
つまり「相手に任せる」という事、相手を信じる事です。信じないより、信じたほうが、自分の人生は豊かになるかもしれません。それに信じてもらったほうが、相手は頑張るでしょうしね。お互いハッピーでしょう。

成功したときはいいですけど、失敗したとき、自分なら部下にどう接するべきなのか、という大きな課題もありますね。この本では約束に対して成果が上がったかを、感情抜きで論理的に判断するのが、采配として正しいとしています。むしろ、はっきりと采配しないと、約束どおりでなくてよかったんだという誤解を生むので、という教育上の配慮を大切にしているのですね。これも、処遇が悪くなってがっかりしても、自分が原因なんだと跳ね返して頑張るのは部下自身、という相手を信じるスタンスに基づいています。
また、そのスタンスをはっきりと伝える必要があるな、と思いました。失敗は成功のもと、という考えは私も好きです。ただそれを旗印にしただけでは腐ってしまう時もあると思います。その時こそ勇気づけてやる必要がありそうです。
私としては成果判断の根本となる目標設定が大事なんだろうな、とも思いました。部下が目標を自分のものとする、そこがスタートなのではないかと。

また、失敗時の処遇も、論理的に意味のある内容にするべきとあり、大事だと思いました。関係のない適当な処置を施すと、「罰」にしかならないのですね。

部下は自立して考える、という事を逆にとらえれば、部下の感情はコントロールできない、ということになります。だから、蔭口や反論があっても無理に解消させない。今までそればかり気にしてくじけそうになっていましたが、気にしても仕方がない。むしろ、自分の感情をコントロールしなさい、と。
確かに、上司なのに逆切れしてたらいけませんよね。簡単じゃないですが、出来る限り頑張ろうかとは思いました。